パナソニックは2020年、全国の社会人を対象に2020年に実施した花粉症に関する調査を実施したが(有効回答数1324)、花粉症を患う人の79パーセントが仕事に影響があると答えた。1日のうち花粉症によって労働力が落ちたと感じる時間は平均で2.8時間だった。

どうして花粉症が労働力を低下させてしまうのか。川越耳科学研究所クリニック院長の坂田英明氏によれば、鼻づまりが続くと口呼吸になり、夜間の睡眠が妨げられ、結果として昼間のパフォーマンスが低下するためとのこと。またアレルギーによる自律神経の変調で生活リズムが乱れ、それもパフォーマンスの低下を招く。
睡眠を研究する医師、坪田聡氏も、花粉症による睡眠の質の低下を指摘している。花粉症は免疫異常のひとつ。睡眠が十分でないと免疫力が落ちるので、花粉症、睡眠の質の低下、免疫異常の悪化、花粉症のさらなる悪化という悪循環を招くという。通常8時間眠る人の睡眠時間が2時間を切ると、酒に酔ったときと同じぐらい深刻な影響があると坪田氏は言う。