健康

2024.03.10 12:00

10代は「睡眠不足と早起き」でうつや孤独を感じやすくなる、米調査結果

Shutterstock.com

Shutterstock.com

学校へ行くために早起きしている、毎日の睡眠時間が8時間以下、あるいは就寝の1時間前にデジタルデバイスを使っている。そうした10代はうつや孤独感を抱える傾向にあることが調査で示された。全米睡眠財団が3月7日に調査結果を発表した。

米国の10代の若者1100人超を対象に行われたこの調査では、推奨される長さの睡眠をとっていると回答した割合は10人中2人以下で、73%が睡眠時間が普段より短いと感情面に悪影響がおよぶと答えている。

十分な睡眠がとれていない人の中には、同財団が推奨する学校開始時間午前8時30分より前に学校に行く人も含まれていた。10人に7人の割合で学校に行く時間が早いと答え、学校開始時間が早くない人に比べてうつ症状が強かった。

調査結果では睡眠時間だけでなく睡眠の質とうつの関連性も示された。睡眠の質に満足していない人の68%がうつ症状を訴えたのに対し、睡眠の質に満足している人でうつ症状があると回答したのは26%だった。

また、寝つきが悪かったり就寝中に目を覚ましてしまう傾向がある人は、メンタルヘルス面で悪影響を受けている。うまく寝つけない日が週に1日以下の人は、2日以上の人よりうつ症状を抱えない傾向にあり、うまく寝つけない日が週に1.5日の人でも同様だった。

調査で睡眠の質が「良い」または「非常に良い」と回答したのはわずか30%だった。性別や人種・民族、世帯収入によっても睡眠の質に差が見られた。具体的には、男子の方が女子よりも睡眠の質が高かった。また、ヒスパニック系や白人より黒人の10代の睡眠の満足度が高く、世帯年収が10万ドル(約1470万円)以上の家庭の10代の方が、同5万ドル未満の10代より睡眠の質が高かった。

調査は13〜17歳の1100人以上を対象に行われた。同財団がこの年齢層で調査を行うのは初めてで、昨年9月11日から10月24日にかけて実施された。
次ページ > 2021年には青少年のおよそ20%が大うつ病性障害の症状を訴えている

翻訳=溝口慈子

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事