海外

2024.02.29 15:00

旅先での「体験」をアジアの若い世代に提案するKlook、累計1300億円調達

安井克至
2017年のフォーブスの「30アンダー30」のアジア部門に選出されたGnock Fahらによって2014年に設立されたKlookは現在、世界の2700カ所以上で53万件以上のアクティビティを提供中だ。「Airbnbが宿泊施設の在り方を変えたように、当社は旅のエクスペリエンスを革新しようとしています」と同社のCEOのリンは述べている。

テイラー・スウィフトの旅行パッケージも

Klookと競合の旅行プラットフォームとの違いの1つは、マッサージからバンジージャンプまでを網羅する多様なアクティビティと、他社とのパートナーシップに由来する限定特典だ。例えば昨年、同社は世界最大のダイビング指導団体のPADIとの提携で認定コースを販売したほか、テイラー・スウィフトのシンガポール公演の公式エクスペリエンス・パートナーとしてホテルやツアーなどの旅行商品をまとめたパッケージを独占販売した。

香港やシンガポール、韓国、台湾を主な市場とするKlookはまた、ソーシャルメディアを通じた若い世代へのアピールを強化しており、インスタグラムで1000人以上のフォローを持つユーザーにコミッションや特典を与えて、現状で1万3000人のインフルエンサーのネットワークを拡大しようとしている。

「旅行業界においては需要の細分化が進む中、パーソナライゼーションの重要性がますます高まっている」と調査企業ユーロモニター・インターナショナルのアナリストは述べている。

Klookの競合には、AgodaやBooking.com、エクスペディアのような米国ブランドに加えて、上海を拠点とするTrip.comや、ソウルを拠点とするYanoljaなどが挙げられる。また、昨年のフォーブスの「アジアで注目すべき100社」に選出された韓国の旅行スーパーアプリのMyRealTripは、1月に5600万ドルを調達した。

しかし、Klookを率いるリンは、昨年ようやくコロナ禍を抜け出したばかりのアジアの旅行需要が今後も伸び続けると考えている。「人々は今、より多くのことを求めており、パンデミックがそれを加速させたのです。旅行客の需要は、エクスペリエンスにあるのです」と彼は語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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