海外

2024.02.29

旅先での「体験」をアジアの若い世代に提案するKlook、累計1300億円調達

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香港を拠点とするオンライン旅行プラットフォームKlook(クルック)の共同創業者でCEOのイーサン・リンは、同社のサービスが、アジア全域の旅行好きのミレニアル世代とZ世代にアピールしていると語る。ユーザーの平均年齢が27歳から35歳の同社のプラットフォームは、若い世代が旅に出かける際の最初のタッチポイントになっていると彼は述べている。

「keep looking」を意味する社名のKlook は、体験型の旅行アクティビティを予約できるサービスとして人気を高めており、昨年12月にアナウンスしたシリーズE+ラウンドで2億1000万ドル(約316億円)を調達した。ベッセマー・ベンチャー・パートナーズが主導したこのラウンドには、タイのアユダヤ銀行のフィンテック部門やシティ、JPモルガン、HSBCなどの大手銀行も参加し、累計調達額は9億ドル(約1350億円)を突破した。

Klookは最新の評価額を明かしていないが、2018年に2億ドルを調達した際に評価額が10億ドルを突破し、香港では稀なユニコーンになっていた。同社は、2024年にIPOを計画中と報じられたが、その件についてのコメントを拒否した。Klookの既存出資元には、ソフトバンクのビジョン・ファンドやセコイアキャピタル・チャイナが含まれている。

ベッセマーのパートナーのブライアン・ウーは「アジアは世界最大規模のエクスペリエンストラベル市場であり、このカテゴリのリーダーであるKlookは、今後も成長を続け、次世代の強力なプラットフォームになるのに最も適した立場にある」と述べている。

Klookは、新たな調達資金をプロダクトの革新やマーケティング、生成AIの導入に充てると述べている。同社は、Google CloudのAI機能を用いて10言語を翻訳し、アクティビティの説明文の自動生成を行うほか、顧客サービス用チャットボットのK.Aiを強化するとしている。
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編集=上田裕資

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