また、スマートテレビ用のOS「SmartCast」を持つビジオの買収では、同社の広告ソリューション事業を取り込むことで、ウォルマートの米広告事業「ウォルマート・コネクト」を強化できるとみている。こうした買収のメリットは、コネクテッドプラットフォームの成長とウォルマートの業界トップのテレビ販売によってさらに拡大することが予想される。
今回の買収は今後の方向性を示している。
ウォルマートのエグゼクティブバイスプレジデント兼最高収益責任者のセス・ダレールは「ビジオの顧客中心の事業は、魅力的な価格帯ですばらしい視聴体験を提供する。ウォルマートはまた、買収で急速に拡大している広告事業の収益性の向上が可能になると考えている」と語った。
さらに「ウォルマートのメディア事業であるコネクトは、ブランドが毎週ウォルマートで買い物をする客と有意義につながれるようにしている。ビジオの事業との合体は、小売とエンターテインメントのつながりを再定義する上で、インパクトのあるものになると確信している」と指摘した。
ビジオは2002年に使命を掲げて設立された。それは、没入感のあるエンターテインメントと革新的なコネクテッドホームデバイスを消費者に手頃価格で提供することだった。順調に販売台数が伸びている同社のデバイスとSmartCastは1800万人以上のアクティブ顧客を集め、2018年比で約400%成長している。
「能力とリソースを結集することで、今回の買収はビジオの歴史における理想的な次なる章になると確信している。イノベーションを推進し、顧客のためにさらなる価値を創造する」とビジオの最高経営責任者(CEO)ウィリアム・ワンは語った。
ウォルマートのコネクト事業は2024会計年度に30%成長し、幅広い広告主向けにオムニチャネルのソリューションを開発・提供している。毎週約2億4000万人の顧客と会員が、19カ国にあるウォルマートの約1万500の店舗とかなりの数にのぼる同社の販売サイトを訪れている。ウォルマートが先端の技術を取り入れた小売企業であることは間違いない。
ウォルマートのチャンネルでテレビ番組を見る人が増えれば増えるほど、同社は多くの商品を売ることができる。ビジオ買収により、専門性と創造性が加わり、商品がこれまで以上に求められるようになる。ウォルマートの第4四半期の売上高は5.7%と予想を上回り、今年から来年にかけてさらなる成長が見込まれそうだ。
(forbes.com 原文)