2024.02.12 12:00

10カ国を21日間でめぐる、一生に一度の世界旅行

チリ・イースター島、アフ・トンガリキのモアイ像(Shutterstock.com)

チリ・イースター島、アフ・トンガリキのモアイ像(Shutterstock.com)

いまや世界一周旅行の選択肢はよりどりみどりだ。自分で選んだ経由地に好きなだけ滞在できる世界一周航空券もあれば、大小各国の人気海岸を数カ月かけて周遊する定期運航クルーズもある。しかし来年、2025年1月の出発が発表されたばかりのホワイトデザート・ワールドツアーほど非日常的で、有益で、ぜいたくな旅が約束されている世界旅行はほとんどないだろう。

ホワイトデザートは、究極の南極旅行を提供する旅行会社の先駆けとして知られる。南極大陸という地球上で最も過酷な環境に、約20年前から観光客や科学者たちを案内してきた。この過程で持続可能性を理念に掲げるようになり、カーボンニュートラルや持続可能な航空燃料など、環境への影響を最小限にとどめつつ、科学的な取り組みに貢献して未来に好影響を与えることを目指している。

そんな同社が、これまで培った経験と関心を世界へと向けたのだ。

2025年1月、ホワイトデザート・ワールドは7大陸をめぐる21日間の旅に50人の招待客をいざなう。道中では、世界で最もすばらしく、最も人の訪れが少ない絶景の数々を訪れる。徹頭徹尾ラグジュアリーな旅でありながら、カーボンオフセットを達成し、訪問先の文化、民族、環境、自然の保護も重視する。

訪問地は10カ所。現地での異文化交流や環境プロジェクトへの参加を通じて、人生観を広げる体験を約束している。出発地はメキシコ市で、そこからコロンビア、イースター島(チリ)、フィジー、ボルネオ島(マレーシア)、インド、トルコ、ナミビア、南アフリカとめぐる。最後は南極大陸で、日帰り旅行か、5日間のホワイトデザート・ツアーを満喫するかを選べる。

最後に南極大陸も訪れる(Shutterstock.com)

最後に南極大陸も訪れる(Shutterstock.com)

各訪問地では、「国連生態系回復の10年」(2021~30年)の目標達成に向けた取り組みのうち、生息地の回復、水の安全保障、ブルーカーボンに焦点を当てたプロジェクトに参加する。このほか、メキシコ市で古代都市テオティワカンの地下トンネルを探検したり、コロンビアの古都カルタヘナで葉巻づくりの名人に葉巻の巻き方を教わったりと、一生に一度の体験もできる。宿泊先は高級ホテルや豪華なロッジだ。

21日間という限られた期間で10カ国を周遊する以上、当然ながら空の旅が中心となる。ホワイトデザート・ワールドでは、ボーイング757-200型機をチャーターし、カーボンオフセット100%のフライトでツアーを催行する。旅程の最終区間である南アフリカ・ケープタウンから南極までのフライトには、持続可能な航空燃料(SAF)を使用する。

チャーター機にはツアー参加者全員分のフルフラットシートが導入され、過酷な時差の影響を軽減する。エコノミークラスの窮屈さとは無縁の旅だ。

もう想像がついているだろうが、これほど壮大な体験となれば、参加費は決して安くはない。残念ながら、裕福な冒険家でなければ手が届かないのが実情である。1月12日出発のツアー料金は1人18万8000ドル(約2800万円)から。オプションの南極旅行5日間に参加を希望すると3万7000ドル(約550万円)の追加料金がかかる。

想像をはるかに超えるこの旅との共益性を念頭に、ホワイトデザートは、ブルーカーボン、グリーンテック、科学・教育に投資を集めるWhite Desert Earth Foundation(ホワイトデザート地球財団)を創設する。南アフリカでの海草プロジェクト立ち上げや、南極の同社ツアーキャンプ地(エコー・キャンプ)にグリーンテック拠点を建設し、氷上での運用技術を紹介することなどを計画している。

forbes.com 原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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