この複合現実ヘッドセットの最低価格モデルはストレージ256GBで3500ドル。512GBと1TBのモデルはそれぞれ3700ドルと3900ドルとなえる。
購入者は、ヘッドセットがベストフィットするようにiPhoneまたはiPadを使って頭部のスキャンを行う必要がある。老眼用や度付きのレンズも利用可能で、それぞれ99ドルと149ドルで提供される。
アナリストのミンチー・クオは、アップルは予約期間の最初の週末だけで16~18万台のVision Proを販売したと予想している。ただしコアなファンとヘビーユーザーが購入した後は、需要が減少するだろうともブログで指摘している。
Vision Proでは、ユーザーがエンターテインメントや仕事アプリを利用して、画面と対話しながら、周囲にあるリアル空間を見ることもできる。
ヘッドセットのディスプレイはそれぞれの目に4Kテレビ以上のピクセルが使用されており、Disney+やアマゾンのPrime Videoといったストリーミングサービスを簡単に楽しむことはできるが、Netflix、SpotifyおよびYouTubeは発売時点ではサポートされていない。
Vision Proのバッテリーパックは最大2時間持続し、USB-Cケーブルを通じてヘッドセットと接続される。
米国労働統計局のデータによると、Vision Proの最低価格である3500ドルは、米国人給与の中央値の3週間分に相当する。
Vision ProはメタのヘッドセットであるMeta Questシリーズの直接的なライバルとなる。価格はそれぞれMeta Quest Proが999ドル、Meta Quest 3が499ドルだ。メタは2月2日、Meta Questが空間ビデオの再生に対応したことを発表した。空間ビデオは、iPhone 15 ProまたはPro Maxで撮影したステレオビデオをVision Proにアップロードして再生できるとアップルが宣伝している機能だ。
アップルはこの新ヘッドセットを、完全な仮想現実と拡張現実(リアル世界に仮想画面を重ねる)の中間となる機能を提供する「空間コンピューティング」デバイスであると説明している。昨年6月に発表されたVision Proは、予想されるiPhone出荷台数の減少を補う新たな収入源をアップルにもたらすだろう。ブルームバーグによると、UBSグループのアナリストであるデビッド・ヴォートは、今年、アップルが30万~40万台のVision Proを販売し、最大14億ドル(約2000億円)の収益を上げると予想している。
(forbes.com 原文)