「互いに関係のない人気ゲームを組み合わせる」というアイデアからは、寄せ集めの劣悪ゲームしか出来上がらないようにも思えるが、その代わりに誕生したのは、とても広いプレイヤー層を取り込み、中毒性がある上、笑いのネタとなる場面が満載のゲームだった。人々がすぐに飛びつき、人気が瞬く間に広まるための完璧な条件が整ったのだ。
同作には主に2つの要素がある。1つは拠点を建設し、パル軍団をそこで働かせて、素材やギアの生産を管理すること。そしてもう1つは、ボスやダンジョン(いずれもかなり簡素なつくりではあるが)がちりばめられた広い世界を探検しながら、全種類のパル収集を目指すことだ。マルチプレイも可能で、他のパルテイマーとチームを組んで、同じワールド内に拠点を作ることができる。また、グラフィックは世界一の美しさというわけではないものの、最新ゲームエンジンの「Unreal Engine 5」を使用しているため、ゲームフリークがNintendo Switch向けに開発した過去数作の『ポケモン』タイトルと比べて見た目とパフォーマンスがかなり良い。
『パルワールド』は早期アクセス開始からまだ数日しか経っていないため、この人気がどれだけ持続するかはわからない。現状では、プレイヤーがいずれやることがなくなってしまう可能性は高いだろう。ポケットペアは少人数のチームであるため、すぐに大型のコンテンツアップデートを実施することは難しいかもしれない。しかし、同作がいかにゲーム業界全体を席巻しているかを考えると、この人気がどこまで伸びるのかは見当もつかない。また、ポケモンとさかんに比較されているとはいえ、任天堂が同作つぶしに乗り出す可能性は今のところ低いようにも思える。『パルワールド』の快進撃は、これからも続くだろう。
(forbes.com 原文)