ブルームバーグは、アルトマンがチップ工場ネットワークに出資してくれる大口投資家候補と話をしていると、この会談に詳しい匿名の関係者の話を引用して報じた。
アブダビを拠点とするテクノロジーグループのG42や、東京を拠点とするソフトバンクグループなどの投資会社が、このプロジェクトについてアルトマンと連絡を取り合っているとブルームバーグは付け加え、このプロジェクトにはトップクラスのチップメーカーが参加するだろうと指摘した。
このアルトマンの初期段階のプロジェクトに関する詳細はまだ乏しいものの、もしうまく進むようなら、米国と中国の間で進行中のチップ戦争に影響を与える可能性がある。両国ともAI、軍事、消費財分野のアプリケーション向けチップの生産を強化しようとしている。
そのチップ工場がどこに設置されるかは不明だが、米国に拠点を置けば、同国の半導体製造力を向上させることに貢献するだろう。現在米国は、世界のチップの約12%を国内で生産しているが、コスト削減のためにアウトソーシングにも大きく依存している。
金融サービスのS&Pグローバルによれば、アルトマンのプロジェクトは、自動車における半導体の使用が増加し、地政学的な貿易リスクが継続する中、それほど遠くない将来のチップ需要の増加とともに実現する可能性が高いとのこと。
OpenAI、G42、ソフトバンクは、フォーブスのコメント要請にすぐには応じなかった。
480億ドル(約7兆1100億円)。これはブルームバーグが報じた11月の全世界における半導体の売上であり、前年比5.3%増となった。
半導体は、自動車、医療機器、コンピューター、兵器、電話、クリーンエネルギーシステムなどの電子機器内に見られる小型のモジュール、プロセッサ、その他のチップ類だ。米国は半導体産業に膨大な資金を注入しており、インテルやクアルコムを含む数十の企業が、2020年から2023年にかけて半導体製造プロジェクトに2000億ドル(約29兆6000億円)近くを投じることを表明していたと、ニューヨークタイムズ紙が報じている。
ジョー・バイデン大統領は2022年に、超党派の「CHIPSおよび科学法」に署名し、半導体の研究開発、製造、サプライチェーンへのコミットメントのために、今後10年間で2800億ドル(約41兆5000億円)の支出を指示した。バイデン政権はまた、中国政府の軍事および人工知能開発に対する政府の懸念が高まる中、中国へのチップやチップ製造ツールの輸出制限を設けている。半導体技術情報会社テックインサイツの副会長でシニアリサーチフェローであるダン・ハッチェソンがNBCニュースに語ったところによると、チップの生産に必要な豊富な天然資源を持つ中国は、今年さらなる制限に直面する可能性がある。
(forbes.com 原文)