パークハイアットニセコHANAZONOにはグリーンシーズンに滞在したことがあるのですが、スタッフが30カ国から集められており、ゲストも多国籍なのでホテル内ではほぼ英語で会話が交わされます。もちろん、日本語も通用します。
併設するレジデンスを含む建物もインテリアもサービスもすべてが日本の規格外です。デザインはオーストラリアのBAR Studioによるもので、施設の所有者は香港の不動産会社パシフィック・センチュリー・プレミアム・ディベロップメント。この海外資本がハイアット ホテル アンドリゾーツと運営受託契約を締結していることも相まって、「外国にいるみたい」な空気感が完璧以上に作られているのです。
このホテルの敷地内にルイ・ヴィトンが日本で初めてウィンターリゾートのポップアップ、というのはごく当然の流れと見えました。メゾンの巨大なモチーフをあしらったユルト(遊牧民のテント式住居)やゴンドラも羊蹄山を臨むゴージャスな風景のなかに違和感なく溶けこむでしょう。
一方、グローバル化が完成された感のあるニセコの次を狙う資本家も、「未開の」日本のウィンターリゾート開発に取り掛かっています。新潟県の妙高高原では、シンガポール政府系投資ファンドGICの日本支社代表を務めていたことのあるケン・チャン氏が、数年間で14億ドル(約2080億円)を投じて整備する計画を立てていることが報じられています。
ケン氏はGIC退職後に不動産投資ファンドのペイシャンス・キャピタル・グループを設立、円安を追い風に周辺の土地を着々と買い進めており、妙高高原周辺にはすでに350ヘクタールの土地を購入しています。さらに新潟・長野にまたがる斑尾高原スキー場も買収しました。もはや日本のウィンターリゾートの開発のほとんどがグローバル資本に委ねられているという勢いです。