この電波妨害のせいで、左岸に展開するロシア軍は、昨年10月中旬以来、漁村クリンキに張り付いているウクライナ海兵隊の小部隊を押し返せずにいる。
ウクライナ軍は「クリンキ近辺に無人航空機(UAV)を大規模に投入している」と、ウクライナのシンクタンクの防衛戦略センターは説明する。「電子戦部隊が敵のUAV使用を妨害している」。
クリンキでの戦闘について、ウクライナと外国のメディアは昨年12月、ウクライナ軍第35旅団の海兵隊員にとって「自殺任務」のようなものだと報じた。だが実際には、持ち堪えられないほどの死者を出しているのはロシア軍の方で、第810海兵旅団、第104親衛空挺師団、そして陸軍付属部隊の兵士が犠牲となっている。
爆薬を搭載したウクライナ軍のクアッドコプター(回転翼が4つの航空機)は、自爆型の一人称視点(FPV)タイプと、夜間飛行する大型の「バーバ・ヤハ」などの繰り返し利用できる爆撃タイプがあり、クリンキ上空とその周辺では四六時中、あちこちに飛んでいる。一方、ロシア軍のドローンは、ウクライナ軍の電波妨害のために、飛び立つことすらできないことが多い。
「ウクライナ軍のUAVは攻撃的で群れをなして活動している」と、ロシアの戦争特派員であるアレクサンドル・スラドコフはソーシャルメディアで説明。「敵はFPVドローンを使って、ロシア軍の車両や兵器、歩兵部隊を攻撃し、我々がいる側の道路や陣地を難なく大砲で狙うため、我々は前線や後方で身動きが取れず、危険だ」と書き込んだ。
「そして夜間には、大型のドローンが我々の進路や道路に地雷を投下し、部隊の動きを妨げている」とスラドコフ。「我々は敵のドローンの射程圏内でウクライナ軍と空中戦を展開する用意ができているが、大規模な電子攻撃によって妨げられている」
Sladkov talks about a difficult situation for Russians on the Dnieper shores: Ukraine concentrated a powerful EW and drone group there. Goes into some historical cringe at the end.https://t.co/mGjevUnZRZ pic.twitter.com/Tf7irRXP2O
— WarTranslated (Dmitri) (@wartranslated) January 4, 2024