ロシアで設立され、現在は米国に本社を置くinDriveの事業の多くはアジアやアフリカ、ラテンアメリカの新興国市場で行われているが、昨年は米国のマイアミにも進出した。
ローランは、新興国市場のビジネスを支援するプログラムなど、新たな事業の開拓に向けてinDriveに加わった。同社の金融サービス事業は、資金が乏しいこれらの市場のドライバーをターゲットにしたものだ。
「新興国市場のドライバーは、家族に何かが起きたときや、車やバイクの修理が必要になった際に、資金の捻出に苦労している。私たちは、彼らを支援する金融サービスの立ち上げを検討している」と彼は述べている。
inDriveの計画はまだ初期段階だが、同社は、車やバイクの購入資金を必要とするドライバーや配達ライダー向けの小口融資のようなサービスを念頭に、これらの市場でのパートナーシップの可能性を検討している。「これまで銀行の信用を得られていない人もいる。私たちは、彼らをサポートするためのさまざまな方法を検討している」と、ローランは述べている。
配車サービスのドライバーや配達ライダーにローンを提供するというビジネスモデルは、目新しいものではない。アフリカのフィンテック企業のMooveもすでに自動車ローン事業を始動させている。
inDriveは昨年末、新興市場のビジネスに投資する1億ドルのプログラムを開始した。同社は、新興国市場での配車サービスに重点を置いてきたが、昨年から米国のマイアミでもサービスを開始した。
同社はUber(ウーバー)やLyft(リフト)などの競合他社との差別化を図るため、乗客がドライバーと料金を交渉できるプランを設けている。inDriveは、乗車料金から最大10%の手数料を得ている。同社はマイアミでのドライバー数や乗客数を明かしていない。
マイクロソフトとハネウェルの元幹部のローランは、2023年7月にinDriveに入社した。同社は約1年前に1億5000万ドル(約217億円)を調達し、事業の地理的拡大やデリバリーへの進出などの多角化を進めている。
InDriveは売上高を公表していないが、ローランは同社が黒字化に向けて「良い軌道に乗っている」と述べた。「当社の目下の課題は、中心的な技術スタックやその他の事業部門を適切な規模にしていくことだ。私たちはそれを達成するための道を着実に歩んでいる」と彼は語った。
(forbes.com 原文)