教育省の特別補佐官で学生ローン問題を担当していたタリク・ハバシュは、ミゲル・カルドナ教育長官に宛てた辞表の中で、バイデン政権が「何百万もの罪のない人々の命を危険にさらしている」と非難した。
「教育省における唯一のパレスチナ系米国人」の職員を自認するハバシュは、230万人のガザの住民がイスラエル政府による継続的な攻撃と民族浄化にさらされていることに「黙っているわけにはいかない」と辞表の中で述べている。
ハバシュは、イスラエルとパレスチナの双方の人々の命が失われたことを悼みつつ、バイデン政権がイスラエルに対する影響力を行使し「現在進行中の集団懲罰戦術」を停止させていないことを非難した。
ハバシュは、米政府が「ガザのパレスチナ人に対する無差別暴力」を支援していると述べ、バイデン大統領がパレスチナ側が発表した死者数の正当性に疑問を呈していることも非難した。彼は、AP通信の取材に対し、バイデン政権への反対意見や懸念を表明するために「考えられることはすべて」行った結果、辞任に至ったと説明した。
3日のMSNBCの番組に出演したハバシュは、バイデン大統領がパレスチナ側が発表した死者数について懐疑的であることに関して「私たちが懸命に支援し、大統領選挙で勝利に導いた米国大統領から、このようなことを言われるのは、胸が張り裂けそうな気分だ」と語っている。
イスラエルが10月上旬に、ハマスによるテロ攻撃に抗議してガザの空爆を開始した数日後、国務省の高官は、バイデン政権の幹部として初めて抗議の辞任を表明した。国務省の政治軍事局で局長を務めていたジョシュ・ポールは、イスラエルへの追加軍事援助に反対し、LinkedInで辞意を表明した。
彼は、バイデン政権が「紛争の一方の当事者」であるイスラエルを「無批判に支援」し、軍事援助を急いでいるとして厳しく批判し「このような対応は、より深い苦しみをもたらすだけであり、長期的な米国の利益にはならない」との考えを示していた。
ハマス側の発表によると、紛争が始まって以来、ガザで死亡したパレスチナ人の総数は2万2185人に達している。この犠牲者数は、ハマスの戦闘員と民間人を分けていないが、以前の内訳によれば、殺された人の約3分の2は女性と子どもだった。この紛争では、これまでに1200人以上のイスラエル市民も亡くなっている。
(forbes.com 原文)