マーケティングリサーチ事業を展開するクロス・マーケティングが全国の20歳から69歳の男女1100人を対象に地上はテレビ番組に関して実施した調査によると、「最近の地上波テレビ番組に感じていること」という質問でもっとも多かったのが「見る機会が減った」だった。2位は「面白くない、見るに値しない番組が増えた」。そのほか、似たような番組が多い、同じような芸能人ばかり出演している、コンプライアンスが厳しくなり面白くなくなった、と感じている人が多い。しかし、3位には「毎回楽しみにしている番組がある」という肯定的な答えも入っている。面白い番組があるにはあるのだ。
今年見たなかで好きな番組を尋ねると、「VIVANT」、「水曜日のダウンタウン」、「どうする家康」など、力作ドラマや個性豊かなバラエティー番組が名を連ねた。同じ内容、同じ顔ぶれの番組ばかりという否定的な感想の裏返しだ。大晦日に見たい番組のトップ10でも同じ傾向が見られた。紅白歌合戦は別格として、2位がなんと「孤独のグルメ」。10年以上まったく変わることなく、騒がず煽らず、淡々と続く鉄板の人気番組だ。これは好きな番組の同列9位にも入っている。
テレビをどう見ているかという質問では、スマホをいじりながら、家事をしながらという人が多く、集中して見るという人はわずか14パーセント。以下8位までは「ながら見」だった。ただテレビを消さずにいてくれてCMを見てくれたらそれでいい、という話を番組制作者から聞いたことがある。見る方と作る方とに、そうした暗黙の了解が出来上がっているようだ。しかし、上質な番組もある。そうしたキラリと光る宝に出会えるまで、テレビは適当に見ているのがいいようだ。
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