経営・戦略

2023.12.13 08:45

唐揚げ専門店が突然消えた理由とは

プレスリリースより

残念なことに、唐揚げブームは去ったようだ。一時は唐揚げ専門店がほうぼうで揚げたてでこだわりの唐揚げを提供していたが、最近はあまり見かけなくなった。それというのも、今年に入って唐揚げ専門店の倒産が相次いだ。唐揚げ界に何があったのか?

唐揚げブームに乗って一気に増えた専門店だが、帝国データバンクの調べでは、去年までは年間の倒産数が1桁だったのに対して、今年は22件と大幅に増えた。ほとんどが小規模事業者とのことだが、支店やチェーン店を含めると、体感的にはもっと多い。

みんな唐揚げに飽きちゃったのか、と思いきや、今でもスーパーの惣菜コーナーでは唐揚げは人気が高い。ニチレイフーズの調査では、好きなおかずは4年連続で唐揚げが1位になっている。ところが、唐揚げ専門店の価格は、唐揚げチェーン14社の平均が3個でおよそ340円とけっこう高い。それに対してスーパーのお惣菜とコンビニは約220円。冷凍食品となると約171円と専門店の半額だ。こだわりの味とは言え、この価格差は大きい。

さらに、コロナ前にくらべて食用油の価格が1.5倍、輸入鶏肉が2倍に高騰した。そうなると資本規模が大きいスーパーやコンビニが強い。しかもコンビニでは、スーパー並みの価格で揚げたてが食べられる。小規模店舗では値上げもままならず、そんなわけで、残念ながら力尽きてしまったというわけだ。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事