同局の13ページの裁定によると、クルーズの責任者は事件発生の翌日、同社に旅客輸送の許可を与えたカリフォルニア公益事業委員会(CPUC)に、事故について報告したが、その際に、同社の車両が歩行者を巻き込み、引きずったという重要な情報を「省略」していたという。この歩行者は重傷を負って病院に運ばれた。
「クルーズは、州の規制当局に報告すべき重要な情報を故意に隠蔽していた」と、サンフランシスコの監視委員会のアーロン・ペスキン委員長はフォーブスに語った。
カリフォルニア州のロバート・メイソン判事はクルーズに対し、同社がCPUCに完全な情報を提供しなかった件に関する説明を求めている。クルーズは、10万ドル(約1400万円)以上の罰金を科される可能性がある。
フォーブスが10月2日の事件を報じた後、CPUCとカリフォルニア州陸運局(DMV)は同月末にクルーズのロボタクシーの運行許可を取り消した。DMVは、クルーズの車両が「人々に不合理なリスクをもたらす」と発表。その2日後に、クルーズは自主的に全米での自動運転走行の展開をすべて停止した。
当時クルーズのCEOを務めていたカイル・ヴォクトは、11月19日に会社を去った。GMのメアリー・バーラCEOは先週、投資家に対し、同社が2024年にクルーズの予算を「大幅に削減する」と発表した。「当社は、全米の規制当局や地域社会との信頼関係を再構築しなければなりません」と彼女は述べていた。
クルーズの広報担当者であるエリック・モーザーは3日、フォーブスにEメールで送った声明の中で、同社が「規制当局との信頼回復に全力を尽くしている」と述べた。同社はすでに、法律事務所のクイン・エマニュエルに依頼して「10月2日の事故に対するクルーズの対応を調査」しているが、その調査結果を公表する予定はないとモーザーは述べている。
10月2日の事故で被害にあった歩行者(依然として身元不明)は、現在もザッカーバーグ・サンフランシスコ総合病院に入院中だが、「状態は良好だ」と病院の広報担当者は述べてる。
クルーズは、12月18日までに今回の裁定に対する回答書を提出し、2月6日の公聴会に出席するよう命じられている。
(forbes.com 原文)