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2023.11.28 12:30

iPhoneを近づけて連絡先を交換する新機能「NameDrop」は危険 米警察が警告

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アップルは先日、iPhoneやApple Watchのユーザーが近くにあるデバイスと連絡先を共有できる機能をリリースしたが、全米の警察関係者は、この機能が引き起こす潜在的なセキュリティリスクを警告している。

アップルは最新のiOS 17.1のアップデートで「NameDrop(ネームドロップ)」と呼ばれる機能をリリースし、数センチ以内にある他のiPhoneやApple Watchに保存された連絡先を共有できるようにした。この機能は、近くにあるiPhoneに画像を送信するための機能のAirDropに似たものとされている。

しかし、全米各地の警察当局は、NameDropが引き起こすプライバシーに関する懸念について警告を発している。デトロイト郊外のオークランド郡保安官事務所は、この機能を無効にするよう住民に呼びかけており、テネシー州の保安官事務所は、iPhoneを近づけるだけで連絡先を共有できるNameDropへの注意を促している。

サイバーセキュリティの専門家アラン・クロウェッツは、ユーザーと面識のない人物がNameDropを使って連絡先を受け取ろうとする可能性があることを警告した。「小児性愛者などがEメールや電話番号を利用するのを我々は見てきた」と彼は語り、この機能が重大な脅威だと指摘した。

しかし、NameDropの機能は、2台のデバイスをロックを解除した状態で接近させ、ユーザー同士が「共有」または「受信」をタップしてメールアドレスや電話番号を送信した場合にのみ利用可能になる。そのため、一部のアナリストはこれらの警告が、必要以上に恐怖心を煽るものだと指摘している。セキュリティ企業ソフォスのアナリストのチェスター・ウィスニウスキーは、この警告が「ナンセンス」だとワシントン・ポスト紙の取材に語った。

アップルは6月の開発者会議で、AirDrop機能の拡張版としてNameDropを発表した。同社のエンジニアリング担当幹部のクレイグ・フェデリギは、声明の中で、アップルが人々のプライバシーを重視していると説明し、ユーザーはいつでもこの機能をオフにしたり、再度有効にしたりすることができると述べていた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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