それによると、路線バスの8割が2023年に減便・廃止を実施し、全路線数の約1割に影響の可能性があるという。
ほぼすべての都道府県におけるバス路線で減便や廃止が実施され、地方だけでなく首都圏でも郊外から郊外を結ぶ路線や早朝・深夜便を中心に減便や廃止されている。
その理由としては、物流の2024年問題が話題になっているが、現行のダイヤでは残業規制による人繰りが難しく、ドライバーの高齢化や観光・貸切バスへの運転手流出などより、ますます運行が厳しくなっているという。
路線バス1社あたりの従業員数も、コロナ禍で貸切バス業界からの流入により240人/社を超えたものの、コロナ禍が明けた現在は、減少傾向で、2023年は235人/社となっている。
コロナ禍から乗客は回復しているものの、燃料費の高騰により収益も悪化。賃上げで運転手を確保する余力のあるバス会社も少なく、今後は利用者の多い市街地路線でもダイヤの縮小や路線の統合が進む可能性がある。
筆者は、「路線バス対決旅」系のテレビ番組が好きだが、それを見ていても以前はあった路線が廃止されていたり、コミュニティバスになっていたりと、番組を行う地域も限られてくるのではと懸念していた。クルマが運転できればいいが、高齢者などは移動手段が限られてくるので、乗合タクシーや自動運転バスなど新たなサービスやテクノロジーでカバーし、地域社会の仕組みを見直していく必要がありそうだ。
出典:帝国データバンク「全国『主要路線バス』運行状況調査(2023年)」より