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2023.11.15 09:15

クリエイティブが集まる燕三条「デザイナーと経営者の幸せな関係性」とお金の話

新潟県燕三条地域で開かれた「燕三条 工場の祭典」のトークショー (c)「燕三条 工場の祭典」


米津:私はデザイナーに近い立場でもあり、事業者でもありますが、いずれもお互いが儲かるかどうかを大事にしています。デザイナーは、メーカーに原価構造を聞いて、予算に収まる範囲で、デザインで解決できることを探すということが必要。事業者としては、相手の希望に沿えるように、報酬形態なども話し合って決めるようにしています。
 
堅田:どういう課題があって、解決するために予算内で何ができるか、共有しながらデザイナーも事業者もお互いが幸せになれるポイントを見出していく、そんな関係性が増えるといいですよね。
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(c)「燕三条 工場の祭典」

(c)「燕三条 工場の祭典」

クリエイティブを通じて目指すビジョンとは何か。「成功と失敗の解像度を上げる」ことで、事業成長への一手が開かれていく。また、デザイナーと事業者がともに手を取り合い、成功のビジョンに向けて二人三脚で進めていくことが大切だ。そうすることで、クリエイティブという目には見えないものを通じて、会社の未来が見えてくる。


堀田将矢(ほった・まさや)◎1978年大阪府生まれ。北海道大学経済学部卒業後、2002年にトヨタ自動車入社。その後08年にイギリスの伝統的な製法ウィルトン織りでカーペットを製造する堀田カーペットに入社し、17年3代目代表取締役社長就任。敷き込み用カーペットの製造を主軸に、16年にウールラグブランド「COURT」を立ち上げたほか、DIYカーペットブランド「WOOLTILE」などのブランドを展開している。
 
内田徹(うちだ・とおる)◎1976年福井県生まれ。 大学卒業後、家業である1793年創業で伝統工芸品「越前漆器」製造の漆琳堂に入社。 約10年間、祖父と父のもとで漆器製造の技術を習い、当時産地最年少で越前漆器伝統工芸士に認定。 2019年に8代目代表取締役社長就任。09年にブランド「aisomo cosomo」を立ち上げ、12年には「お椀や うちだ」、20年には「RIN&CO.」を発表した。
 
米津雄介(よねつ・ゆうすけ)◎1980年東京都生まれ。東京造形大学卒業後、文具メーカーで商品開発とマーケティングに従事。2012年にプロダクトマネージャーとして、THEに参画し、全国のメーカーを回りながら、商品開発から生産管理までなどプロダクトマネジメント全般を担当。15年に代表取締役社長に就任。世の中の”定番”をアップデートするというブランドコンセプトで、燕三条地域では大泉物産のカトラリーなどで共同開発を手掛ける。

文=川上みなみ 編集=督あかり

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