「米国の消費者は、ブルーベリーが手に入らないことを悲しんでいる」と、米国ハイブッシュ・ブルーベリー協議会と北米ブルーベリー協議会の会長であるケイシー・クロンキストは述べている。
今年のエルニーニョ現象による猛暑は、世界最大のブルーベリー輸出国であるペルーの農業に悲惨な結果をもたらした。ペルーはこの作物の供給量約13億ポンド(約45万4000万トン)の約3分の1を米国に輸出しているため、米国の食料品店全体でブルーベリーの品薄が続いている。
その結果、ニールセンIQのデータによると、9月初めから小売価格は60%上昇し、1ポンド(約0.45キロ)あたりの価格は6ドル近くになった。ここ2カ月で、ブルーベリーの価格はコンテナあたり2ドル上昇し、販売量は昨年との比較で約2700万ポンド減少した。
「ペルーでは長引く夏が、ブルーベリーの収穫に打撃を与えている。供給がこれほど大きく減少したのは、この業界が始まって以来だ」とクロンキストは語った。
ペルーが初めて100万ポンド以上のブルーベリーを米国に出荷したのは2013年のことで、それ以来ペルーでのブルーベリー栽培は拡大し続け、2020年には米国の主要なサプライヤーになった。2022年に、米国がペルーから輸入したブルーベリーは約3億3900万ポンドに達し、2016年の約9倍に伸びていた。
しかし、今年はブルーベリーの収穫量が大幅に減少しており、同時に、ブルーベリーはますます人気の果物となっている。「ブルーベリーは、母なる自然に大きく左右される作物だ」とクロンキストはいう。
クロンキストによれば、気候変動が深刻化する中で、ブルーベリーの安定供給を確保するためには、暑さに強い品種を生み出すことが重要だという。
彼は、北米の栽培シーズンが始まれば、春までにブルーベリーの供給量は以前のレベルに戻ると予想している。エルニーニョ現象が来年の収穫にも打撃を与えるかどうかはまだ不明だという。
(forbes.com 原文)