テクノロジー

2023.10.30 13:00

生成AIのフェイク画像に対抗する標準化団体「C2PA」にクアルコムが参画

安井克至

画像の出所を明らかにする技術

本物の画像に、出所を証明するメタデータを埋め込むことで、インターネット上に出回っている画像を見た人々が、その画像が本物であることを確認できる、あるいは偽物であることを判別可能になることが期待されている。

アドビの生成AIツールのFireflyやBingの画像クリエイターなどは、すでに画像にコンテンツの認証情報を表示しているが、ファイルをエクスポートする際に剥がされたり失われたりする可能性がある。しかし、トゥルーピックが作成したメタデータは、クアルコムのチップの最も安全な部分に保存されるため、改ざんされることはないとヒープは説明した。

トゥルーピックのジェフリー・マグレガーCEOは、同社の技術が偽物を検出することよりも「本物を証明する」ことに重点を置いていると語った。というのも、AIツールは、AIが生成したコンテンツを検出する技術よりも速いスピードで進歩しているからだ。より新しく、より強力なバージョンのAIモデルはそれを検知するツールをくぐり抜け、より免疫性の高い画像を作り出すことができる。

マクレガーは、スマートフォンのチップに画像の出所に関する情報を埋め込む取り組みが、拡大可能だと考えている。しかし、その規模を拡大するためには、スマートフォンのメーカーやアプリの開発者の同意を得る必要がある。クアルコムのヒープは、彼らを説得することが優先事項だと述べた。

「我々は、この取り組みをクアルコムのハードウェア上で直接実行できるようにすることで、参入障壁が非常に低いものにしている」と彼は語った。

もう1つの課題は、アプリケーションによってはこの新たな種類のメタデータをサポートしていない場合があることだ。ヒープは、最終的にはすべてのデバイスとアプリケーションがC2PAのコンテンツ認証情報をサポートすることを望んでいる。

「クアルコムであろうとなかろうと、すべてのデバイスが同じ規格を採用するような世界にしたい」と彼は語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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