アトラシアンは、8億8000万ドルを現金で、残りを株式で支払う。買収は、規制当局の承認を経て、2024年3月までの四半期中に完了する予定とされている。
2016年に設立されたルームは、世界の20万社以上の企業顧客が、安全に動画を録画・共有するためのツールを提供している。フォーブスの「30アンダー30」にも選ばれた若手起業家3人が立ち上げた同社は、サンフランシスコを拠点にSlackなどで動画を即座に共有できるツールを開発し、これまでセコイア・キャピタルやクライナー・パーキンス、アンドリーセン・ホロウィッツなどの投資家から資金を調達。直近の資金調達ラウンドで、評価額は15億ドルとなっていた。
ルームは、新型コロナウイルスの流行中に急成長を果たし、人々のリモートワークを支援した。アトラシアンは、リモートワークの導入が今後さらに加速することに賭けている。ルームのビジネスユーザーは、非同期ビデオ技術を使って、毎月約500万本のビデオを録画しているとされる。
「非同期ビデオと人工知能(AI)は、コラボレーションの次の進化を促進することになる」と、アトラシアンの共同CEOを務めるキャノン=ブルックスは述べている。
「ルームと当社の力を合わせれば、これらの分野で素晴らしい製品を提供できる。アトラシアンには、チームコラボレーションに関する深い専門知識があり、そこにルームを加えることで、当社の26万社以上の企業顧客のエクスペリエンスを高めることができる」
キャノン=ブルックスとスコット・ファーカー共同CEOは約20年前、大学を卒業した直後にアトラシアンを立ち上げ、現在の時価総額が480億ドルのハイテク大手に成長させた。
約120億ドルの個人資産を保有するキャノン=ブルックスは、再生可能エネルギーへの投資を強化しており、世界最大級の太陽光発電プロジェクトとされるSun Cable(サン・ケーブル)の主要な支援者としても知られている。自身のGrok Venturesを通じて、オーストラリアの電力会社AGLエナジーの株式も保有している。
(forbes.com 原文)