CAIOという役目は、AIを用いた取り組みの責任を担う中心を提供するが、現時点では、これらの取り組みは分散している傾向がある。スライとワンは「『最高○○責任者』と名のつく人間がさらに必要なのか、あるいは、他の既存の役職がその責任を負うことは可能なのか、そう疑問に思うのはもっともだ」と述べる。残念なことに「AIプロジェクトを率いるチームは、さまざまな事業部門や技術チームからの寄せ集めだ。一方で、AI戦略を求め、取締役や予算を求めようとする取締役会からのプレッシャーは大きい」
CAIOには、次のような役割が求められている。
・AI構想についてビジネスリーダーと提携する
・技術リーダーと協力して、AI技術の設計・開発・テスト・展開の調整を行う
・法律、リスク、コンプライアンスを念頭に置いて、AIポリシーを立案・テスト・展開する
・財務部門や事業運営部門と協力して、AI技術がビジネスと財務にもたらす影響を測定する。CAIOはその測定結果を数値で示さなくてはならない
スライとワンによれば、組織は「デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するときと同様」に、AIに挑戦する人間を必要としている。
「実際、AIが秘める力の全貌を十分に把握していないにもかかわらず、その可能性にすっかり夢中になっている経営幹部たちは多い」と、スライとワンは指摘する。「AIによって、ITやカスタマーサポート、ヘルプデスク、事故管理などの経営効率を向上させ、さらには、革新的な製品を販売して売上をアップさせることで、自社が唯一無二で先頭に立つ企業になれるかもしれないと考えて夢中になっている」
(forbes.com 原文)