イスラエル軍の指揮官らは部隊が圧倒されそうになっていると察知した。そして難しい決断を下す。それは、シュジャイヤ地区に対して砲撃や空爆を直接加えるというものだった。陸軍のM109自走榴弾(りゅうだん)砲と空軍のF-16戦闘機がスタンバイしていた。
指揮官たちはゴラニ旅団の歩兵たちに対して、各自のナメルに乗り込んでハッチを閉じるよう命じた。それからM109がこの地区に重量45キロの砲弾を数百発ないし数千発撃ち込み、F-16は合計で1トンにおよぶ爆弾を投下した。歩兵たちは重量70トンのナメルの中で爆弾の嵐をしのいだ。外ではハマスのテロリスト多数が死んでいった。ガザの民間人多数も巻き添えになった。
4日目、ハマス側から砲撃や銃撃の音は聞こえなくなった。
ナメルは中の歩兵たちの命を守った。それはナメルに期待されていることであり、古いM113では無理なことだった。しかしナメルは同時に、市街地への集中砲火という、イスラエル軍の残酷で無差別な戦術も可能した。2014年の紛争後、この戦術は厳しい批判を浴びる。国連の委員会は、イスラエルがシュジャイヤに対して行った砲撃や空爆は「戦争犯罪にあたる可能性がある」と結論づけている。
(forbes.com 原文)