経済的成果に新たに焦点を当てたことは歓迎すべきことだ。結局のところ、学生が高等教育を受ける一番の理由は、良い仕事に就くことなのだから。かつてUSニュースのランキングの根幹を成していた合格率や卒業生からの寄付金、基金の規模といった指標は、学生が実際に何を求めているのかということとはほとんど関係がない。学生の大半は、自分自身の銀行口座ほどには自分の大学の銀行口座のことなど気にしていないのだ。
だが、大学ランキング改革はまだ重要な要素を見逃している。USニュースとウォールストリートジャーナルのランキングは、各大学の典型的な学生の経済的成果に焦点を当てている。ところが、この「典型的な」学生は実際には存在しない。特定の大学の全卒業生の収入の中央値の裏には、専攻分野によるかなりのばらつきが隠されているのだ。
報道機関が大学名ではなく専攻分野によって格づけをすれば、学生たちは卒業後の経済的な見通しを立てやすくなるだろう。米連邦政府のデータによると、ウォールストリートジャーナルのランキングでは300位だったパデュー大学でコンピューター科学を学んだ学生は、卒業の4年後には12万4000ドル(約1850万円)の収入を期待することができる。一方、同ランキングで3位に位置づけていたイェール大学で英文学を専攻した場合の収入はわずか6万4000ドル(約960万円)だ。