ソニー傘下Bungie、人種問題指摘の社員を解雇 元人事部長が訴訟

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ソニー傘下のゲーム開発企業で、人気ゲーム『Destiny 2』で知られるBungie(バンジー)の元人事部長の女性が、同社を不当解雇で提訴した。ゲームメディアのIGNが報じた。女性は、社内での人種問題について提言を行ったものの無視され、それから間もなく解雇されたと主張している。

原告のイングリッド・アルムは2022年5月、バンジーの人事部長に採用された。この問題をめぐる一連の出来事について、次のように説明している。

・アルムは、ジェームズ・スミス(仮名)という社員の業績を調査するように指示された。スミスはアルムに、自分は50人からなるチームで唯一の黒人であり、上司から人種を理由に他の従業員とは異なる扱いを受けていると感じていると話した

・アルムは自身の上司に対し、スミスの上司に多様性に関する研修を受けさせることを提案。だがアルムの上司はそれに「敵意と否定」で応じ、スミスの上司は勤続年数が長く、社内での評判も良いと反論した

・バンジーはその後、スミスの解雇を勧告。アルムは、それは人種的偏見に基づいたものだとして反対した

・アルムがこの問題について同社のDEI(多様性・公平性・包括性)責任者であるコートニー・ベンジャミン博士に助言を求めたところ、それを知ったアルムの上司は激怒。9月、アルムは突然解雇された

アルムの主張をまとめると、社内のチームに人種的偏見がある可能性を察知し、そのチームの責任者が多様性研修を受けるよう勧めたところ、その提案について非難されたあげく、解雇されたというものだ。

シアトルに本社を置くバンジーは、先進的で包括的な企業であることを前面に押し出している。だがIGNは以前にも、同社には性差別や不平等を生み出す有害な職場文化などの問題があると報じていた。

バンジーは頻繁に多様性施策を発表しており、社内には黒人やトランスジェンダーなどの多様な従業員を個別にサポートする「Black at Bungie」や「Trans at Bungie」などのグループがある。しかしつい先日、同社はX(旧ツイッター)への投稿でこうしたグループの1つである「Latin at Bungie」を紹介した際「Latinx」という言葉を使ったことで非難を浴びた。


ヒスパニック系の人々の多くは「Latinx」という言葉を嫌っており、部外者が進歩的な目的のためにスペイン語を改変したものと考えている。この投稿には怒りの返信や引用ポストが相次いだが、バンジーは投稿を撤回することも、批判についてコメントすることもせず、批判的な返信の多くを非表示にして隠そうとした。ユーザーの多くはバンジーの投稿に実際に怒った人だったが、中には、進歩的な姿勢を公言するバンジーがこのような失態を犯したことをおもしろがり、論争をたきつける右派の人々もいた。

元人事部長が起こした訴えの内容は深刻であり、バンジーが表向きに公言している方針に反している。たとえそれが本当に同社の目標であったとしても、社内には多くの問題が残っている可能性がある。

筆者はバンジーにコメントを求めたが、今のところ返答はない。

forbes.com 原文

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