もしディフェンス・エクスプレスの数字が正確であれば、ロシアの産業界は毎月、損失をほぼ補うだけの新型の戦車や改修された戦車を完成させていることになる。
最も古いT-62やT-54/55を含む改修された戦車は、既存の車台や砲塔に頼っているため、数に限りがある。これにより、納入が2022年後半にピークを迎えて以来、冷戦中期に生産され、再び活用されたこれらの戦車の全納入台数に占める割合は減少していると考えられる。
Russia is running out of T-80s. It's very early days but it seems the % of T-80s of total tank losses is declining for a 5th month. only 14 lost tanks on @WarSpotting so far this month, but as it's a continuation of a trend that has been going on since June, I want to highlight…… pic.twitter.com/mjJlXWnPOY
— Richard Vereker (@verekerrichard1) October 6, 2023
損失がその証拠だ。大雑把に言えば、軍はモデルごとの配備数にほぼ比例して戦車を失うはずだ。戦車にはさまざまな型式があり、備わっている能力の違いにより型式間で残存率が異なるかもしれないが、そのような違いが問題になるのは実際にはほんのわずかだ。
詳細をみると、ロシア軍の古いT-62の損失は2022年10月にピークに達した。改修型のT-80の損失のピークは今年6月だ。そして今、T-90の損失はピークに達している。重量53トン、乗員3人のこの戦車をロシア軍は計約60両失っており、そのほとんどがここ数カ月での損失だ。
破壊され、鹵獲(ろかく)されたT-90の数は、ロシア軍が侵攻前に保有していたT-90のおよそ15%だ。だが、ここには新たに生産された分は含まれていない。ウラルバゴンザボード工場は2022年初めから数百両のT-90を新たに生産する時間があった。