モビリティ

2023.10.04 16:30

ひき逃げされた女性が自動運転車の前に投げ出されその「下敷き」に、米

同月、Cruiseの乗客1名が衝突事故で負傷し、ある消防士は当該車が交差点で緊急自動車に道を譲らなかったために起きたと語った。フォーブスが入手したサンフランシスコ消防局の記録は、同じ月に2台のCruisesの車両が、重大な衝突事故に巻き込まれた人物の救急作業を遅らせたことを非難している。その人物は別のクルマにはねられ、救急車が到着した時にはひどく出血していたが、Cruiseの2台の車両が救急車を妨害していたと記録に書かれている。救急車を通すために警察車両が道を空ける必要があり、その結果患者の治療が遅れ、最終的に死亡したと当局は語った。Cruiseは、同社の車が遅延の原因であったことを否定している。

フェニックス(アリゾナ州)とオースチン(テキサス州)でも自動運転車事業を運営しているCruiseは、2020年12月にサンフランシスコでテスト運転を開始して以来、その安全性を繰り返し主張してきた。消防車と衝突事故を起こした後、Cruiseのサンフランシスコ・ゼネラルマネージャーのグレッグ・ディートリックは、同社の車両は、視界に入ったと「ほぼ同時に」消防車を認識し、サイレンには「周囲の雑音と聞き分けてすぐ」に気づくことができたと語っている。同氏はその交差点の視界が悪いことを非難し「人間にも自動運転車にとっても同様」に走行が困難な場所だと語った。Cruiseは初の安全性レポートを11月に公開し、同社の車は、トップダウン設計から路上走行データ、業界標準の衝突回避シナリオまで、頑強なテスト・シナリオに従って検査されていると話した。

自動運転車に関連する問題のほとんどは、怪我にはつながらない軽微なものだった。固まっていないコンクリートにはまって工事現場で立ち往生した車両もあれば、アウトサイドランズ・ミュージック&アーツフェスティバルで通信帯域の問題で、10台ほどの自動運転車が渋滞を引き起こしたこともある。垂れ下がった電線や霧など予想外の問題に遭遇し、システムが停止して動かなくなったという報告も複数ある。サンフランシスコ消防局は、今年1月から8月までの間に、自動運転車が原因の問題による事象を55件報告しているという。

活動家グループのSafe Street Rebelsは、自動運転車を路上から追放するために、妨害行動を開始した。グループのメンバーは、クルマのボンネットにトラフィックコーンを置いて、車両の動作を妨げている。人間の従業員がコーンを取り除くまで、クルマは走り出すことができない。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事