被害者8人がBBCの取材に、ジェフリーズとパートナーのマシュー・スミス(60)はブローカーを介して若い男性を見つけて搾取していたと認めた。男性たちは、2人が主催したセックスイベントに参加させるために集められていた。
BBCによると、ジェフリーズとスミスは2009年から2015年にかけて、米ニューヨークやフランスのパリ、イタリアのベニス、モロッコのマラケシュなどでイベントを催し、そこで若い成人男性を搾取した。BBCは、ジェフリーズとスミスのための性行為をともなうイベントに参加したり、その企画にかかわったりしたとする男性12人に話を聴いた。
参加した男性全員が報酬を受け取り、秘密保持契約に署名していたが、半数の人は当初どんなイベントかについて誤解させられていて、性行為がかかわるものとは知らなかったと証言した。
何人かは、勧誘された際、ブローカーやその他の人物からアバクロでモデルの機会をちらつかされたとも明かしている。BBCはこのブローカーをジェームズ・ジェイコブソンと特定している。
BBCはジェフリーズとスミスに取材を申し込んだが、いずれも返事はなかったという。
フォーブスはアバクロにコメントを求めたが、現時点で返答はない。
BBCは取材で集めた文書や証言について、米国の元検察官2人に精査してもらっている。2人とも、ジェフリーズらを性的人身取引の罪に問えるかどうか判断するため、刑事捜査を開始するのが妥当だとの考えを示した。
BBCによれば、ジェフリーズは2014年にアバクロのCEOを退任した際、退職金として2500万ドル(現在の為替レートで約37億円)を支給されている。
昨年公開されたアバクロのドキュメンタリー映画では、同社が近年抱えていた問題の一端が明かされていた。たとえば、アバクロでは「痩せていること」が理想化されたり、特定の美的基準が賛美されたりしていて、そうした基準は顧客だけでなく店舗スタッフにも当てはめられていた。
作品では、2000年代初めに世間からの批判や訴訟などによってジェフリーズが退陣に追い込まれ、アバクロに変化が起きたことを紹介している。しかし、今回明るみに出た性的搾取疑惑には触れていない。
(forbes.com 原文)