NASAのアポロ計画でロケット用油圧機器の開発に携わっていた経歴を持つ発明家、萩原忠氏は、真空率99.5パーセントを可能にする世界唯一の超高真空技術を開発。その技術供与を受けたインターホールディングスは、フードロスと温室効果ガスの削減を目指して、高性能な真空容器を販売している。そして、一升瓶不足や輸送コストの高騰など、日本酒業界にとって非常にもどかしい現状を、超高真空技術で打開しようと乗り出したのだ。
インターホールディングスは、日本酒の専門家である髙岡麻彩をアドバイザーに招き、岩手県の酒造所、南部美人も加えて新たな日本酒の流通形態を考える。具体的な形はまだわからないが、単に一升瓶を代替する以上のものが期待できる。南部美人の代表取締役、久慈浩介は、日本酒が初めてという外国人に試してもらいやすくなると話している。レストランで飲んだことのない酒をいきなり720ミリリトル瓶で注文するのはハードルが高い。味見のために瓶を開けてしまうと、すぐに品質が低下して商品にならなくなるからだ。しかしインターホールディングスの超高真空容器を使えば、少しずつ酌み出しても残りの酒が劣化しない。酒のお試しが「品質確保しながらSDGsにも配慮しつつ行える可能性」があるというのだ。
高級銘柄酒の一升瓶を手にしたときの喜びは大きいが、大切にちびちびやっていると1週間もすると味が変わってしまう。一升瓶ほどの色気はないかもしれないが、真空容器で品質が変わらないとなれば安心できる。飲食店だけでなく、一般の日本酒党にも有り難いものとなるだろう。
プレスリリース