アジア

2023.10.02 10:30

台湾初の自前潜水艦「海鯤」、日米の仲間と海中から中国ににらみ

留意しておくべきなのは、このシミュレーションでは台湾軍の潜水艦はほとんど戦力に含まれていないことだ。台湾海軍は現在、前線用の潜水艦を2隻保有しているが、これらはオランダが1980年代に台湾向けに建造したもので、一般には旧式のものと見なされている。

海鯤級の潜水艦8隻が配備されれば、中国側の艦隊に対して米国主導の台湾防衛側が展開できる潜水艦や魚雷の数は20%ほど増える。日本の海上自衛隊が運用する潜水艦22隻の一部が加われば、その戦力はさらに増す。

米国、台湾、日本側が勝利する場合も、当然のことながら大きな代償をともなうと予想されている。CSISのシミュレーションでは、数週間の戦争で米国の潜水艦はおおむね、中国の護衛艦や航空機、潜水艦によって3〜4日に5分の1ほどのペースで失われていた。最終的に十数隻の潜水艦が海底に沈められ、数千人の乗組員が犠牲になった可能性がある。

台湾は、中国の侵攻を撃退するために新型潜水艦を何隻か失うことになるかもしれない。だが、台湾の民主主義を守るうえでそれは小さな代償だろう。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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