2023年第1四半期だけでも、3つの生成AI企業が、評価額10億ドル(約1470億円)を突破してユニコーン企業となった。チャットボット「Claude」を提供するAnthropic(アンソロピック)と、ソフトウェア作業の自動化AIアシスタントを開発するAdept(アデプト)、好みのキャラクターによるチャットボットを作成できるコミュニケーションプラットフォームを運営するCharacter.AI(キャラクターAI)だ。
また、マイクロソフトやグーグルなどの大手テック企業のほか、Atlassian(アトラシアン)やHubSpot(ハブスポット)、セールスフォースといったB2BのSaaSプロバイダーもこの流れに乗り、主要製品に生成AIを統合した。
生成AI技術は、業界・業務を問わず幅広く適用が可能であり、大きく成長するだろう。調査会社フォレスターの最新予想によれば、生成AI分野は2030年まで年平均成長率36%で拡大し、AIソフトウェア市場の55%を支配するとみられる。
以下では、こうした空前の成長を後押しするいくつかの要素について説明しよう。
・特化型生成AIの導入
自動化と生産性の向上を目的とした特化型アプリケーションに費やされる金額は、2030年までに年間790億ドル(約11兆6600億円)に上るだろう。中心となるのは、セキュリティ、医療、コンテンツマーケティング業界だ。例えば「GitHub Copilot」や「Replit」といったコード生成を補完するサービスが登場し、ソフトウェア専門家や市民開発者にとっては、ソフトウェア開発が以前より容易になっている。
アプリケーションは、新製品の開発にも使われている。在宅医療サービス提供会社Cera(セラ)は、解析技術を用いてユーザーの健康状態をリアルタイムでモニタリングし、複雑な医学的概念を易しく解説するビジュアルコンテンツを生成AIで作成している。