セルダルは違う。このRWSは、5年ほど前に登場するや、たちまち成功を収め、カタール軍やモロッコ軍の装甲トラックに搭載された実績もある。
ウクライナはその共同生産国なので、ロシアによる2022年2月の全面侵攻後、あり合わせのもので戦闘車両を急造しなくてはならなくなった際、セルダルに目星をつけたのは当然の成り行きだった。セルダルは、供与されたM113装甲兵員輸送車少なくとも1両にも取り付けられているが、やはり自国製のMT-LBが車台としては最も望ましいと判断されたようだ。
ウクライナ軍のMT-LB-セルダルは、2022年秋に北東部ハルキウ州で敢行された反転攻勢でも使用された。しかし2023年1月以降、姿を見せることはめっきり減った。代わりに、より簡素で雑多な砲塔をのせたMT-LBが同じ頃から目撃されるようになっている。
ルーチはセルダルの在庫を使い果たし、追加生産するか、別の新たな砲塔に切り替えるかを余儀なくされているのかもしれない。
実際、別のRWSを採用する兆しがある。それはセルダルほど高級ではなく、したがってより安価なものになるかもしれない。ルーチは7月末、トルコ企業のベスト・グループと共同で、機関銃1挺と、重量約36kgでステューフナ-Pほどの射程や威力はないRK-3コルサル対戦車ミサイル2発だけを装備した、安定した砲塔を生産すると発表している。
(forbes.com 原文)