経済・社会

2023.09.21 08:00

IEA「化石燃料の需要は10年以内にピークを迎える」

その他の発展途上国も石炭依存を脱し、天然ガスと再生可能エネルギーの組み合わせへの移行に取り組んでいることを考慮すれば、石炭に関するIEAの予測は妥当なものに見える。

IEAの予測のうちおそらく最も注視されている点は「天然ガス需要が2030年までにピークを迎える」という予測だろう。実際、2023年に発表されたその他の信頼できる予測のほとんどは、化石燃料のなかで最もクリーンである天然ガスについて、需要がピークを迎えるのは2030年よりも後になるとしている。

例えば、エクソンモービルが8月に発表した『グローバル・エナジー・アウトルック』では、天然ガス需要は2050年までに20%増加するという、対照的な予測がなされている。

ビロルによれば、天然ガス需要が2030年までにピークを迎えるというIEAの予測の根拠は「発電において、再生可能エネルギーが天然ガスに肉薄していること、ヒートポンプの普及、ロシアのウクライナ侵攻を受けて加速した、ヨーロッパの天然ガス離れ」であるという。

当然ながら、石油と天然ガスの需要がIEAの予測よりも伸び続けることは、エクソンモービルの利益につながる。ただし公正を期していえば、これまでのIEAの予測は、急速なエネルギー転換を前提とする傾向にあり、後に修正を迫られてきた。近年のIEAの石油需要予測には、一貫してそうした特徴がみられた。

まとめ

最後に、各種エネルギーの将来需要を予測するすべての信頼できる研究が共通して、化石燃料需要が、今後数十年のうちのどこかで減少に転じると予測していることには留意すべきだろう。例えば、ピークオイルに関するエクソンモービルの予測は、基本的にIEAの予測と軌を一にしている。

IEAの最新予測をめぐっては、疑問もある。政府がさらなる介入によって実質的に勝者と敗者を選ぶことがなければ、こうしたピークがこれほど近い将来に訪れることはないのではないかという疑問だ。

エネルギー転換に関しては、無数の不確定要素が存在し、またロシアによるウクライナ侵攻のような世界的大事件が予測を狂わせることもあり得る。こうした予測はすべて、経験に基づいた憶測以上のものではない。IEAの予測が正しいかどうかを知るには、2030年まで待つしかない。

forbes.com 原文

翻訳=的場知之/ガリレオ

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