江戸川区は、NTT東日本、NTTスマートコネクトと協力して、NTTコノキューが運営するウェブ版仮想空間プラットフォーム「DOOR」のなかに区役所を開設する。DOORは、利用者が「ルーム」と呼ばれる世界を構築して公開する仕組みになっている。たとえば、歴史的建造物を再現したり、クラブを建ててライブを開催したり、西新宿の街を再現した大規模なものなどもある。参加者はアバターとなって、それらのルームを散策したり、人と会話を楽しんだりできる。
この実証実験のために、江戸川区はDOORに区役所のルームを開設し、1階総合窓口と個別相談スペースを準備する。実験なので利用範囲が限定されるが、個別相談スペースでは実際に区の職員や福祉関係者と音声チャットで話ができるということだ。NTT東日本は、そこでメタバース空間でのコミュニケーションの課題を洗い出して「ブラッシュアップ」を重ねると話している。
区役所まで出向くのが困難な人たちに配慮した事業だが、問題はそのおもな対象となるであろう、お年寄りにもストレスなく操作できるインターフェイスが提供できるかだ。今のメタバースは、3Dゲームの操作に慣れていない人にはなかなかうまく歩き回れない。そもそもマウスやキーボードの操作すら不慣れな人がいる。これを機に、誰にでもメタバース内で自由に活動できる直感的な操作系ができれば、メタバース全体の普及にも大いに貢献するに違いない。そこに期待して注目したい。
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