調査会社TrendForceは8日のレポートで、今年のProモデルとPro Maxについて広く予想されていたストレージのアップグレードが見送りになったと報じた。競合のフラッグシップ端末のほぼすべてが256GBのストレージを搭載する中で、アップルは今年の標準モデルのストレージ容量を、またもや128GBに据え置こうとしている。
その代わりにアップルは、オプションとして256GB、512GB、1TBのストレージを提供する予定で、1TBモデルの価格はProが1600ドル(約23万6000円)、Pro Maxが1700ドル(約25万円)にもおよぶ可能性がある。これは非常にリスクの高い決断と言えそうだ。
以前のリーク情報では、Proの100ドル値上げは、ストレージ容量の拡大と引き換えに提供される可能性が示唆されていただけに、これはiPhoneファンにとって大きな打撃といえる。さらに、iPhone 15 Proは8Kのビデオ撮影に対応する見通しで、このモードでは1分あたり600MBのストレージ容量が必要になる。
TrendForceは、アップルがストレージ容量を拡大する代わりに、15 Proと15 Pro Maxのメモリ容量を以前の6GBから8GBに拡大する述べている。しかし、ほとんどのユーザーはメモリよりもストレージの増加を望んでいたはずだ。
その一方で、今年のProとPro Maxは、標準モデルとの機能の差が大きくなる。iPhone 15とiPhone 15 Plusは基本的にiPhone 14 Proの廉価版的なモデルだが、今年のProモデルはチタン製の筐体や極薄のベゼル、Thunderbolt 4 USB-Cポート、3nm A17チップなどを搭載する。
また、iPhone 15 Pro Maxには、アップル初の光学10倍ズームカメラも搭載され、これが最大のセールスポイントになると予想される。しかし、今年のPro Maxの初期の出荷台数は限定的で、最大で1カ月遅れる可能性もあると報じられている。
筆者は、今年のアップグレードを迷っている人に、来年の大型モデルチェンジを待つことを薦めている。アップルは、その際にもっと余裕のあるストレージのオプションを用意するかもしれない。
(forbes.com 原文)