宇宙

2023.09.11 18:30

地球照の三日月と新月、「月」を楽しみたい今週の夜空

早朝の三日月。輝いていない部分が「地球照」でうっすら見えている(Getty Images)

早朝の三日月。輝いていない部分が「地球照」でうっすら見えている(Getty Images)

今週は月の鑑賞にもってこいの週だ。多くの人たちが、月を見るには満月のときが一番だと考えているかもしれないが、繊細な三日月のほうがはるかに見ごたえがある。今週は、夜明け前にスリムな三日月が昇るのを見た後、日没後に太陽の反対側に再び現れるところを見ることができるかもしれない。
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朝晩位置を変えながら、軌道上の特定の場所に移動している月は、来月10月14日に特別な現象、金環日食を起こそうとしている(米国の一部の州で見ることができる)。

9月12日火曜日:三日月がプレセペ星団と並ぶ

現在、夜遅く東の空に見えているプレアデス星団(M45、すばる)が最も美しい散開星団だとすれば、プレセペ星団(M44)は僅差となる2位かもしれない。ただし、見るためには朝早く起きる必要がある。

12日の未明の東の空で、輝面比9%の三日月が、プレセペ星団のすぐ近くに昇ってくる。右下にはすばらしく明るい金星が見える。双眼鏡があれば最高だ。

9月13日水曜日:「地球照」の三日月がレグルスと接近

9月12日には9%、翌13日にはわずか5%だけ照らされた極細の三日月が日の出前の東北東に昇る。月が照らされていない側には「地球照」が見られる。地球に反射した太陽光が月面を照らす現象だ。金星(明けの明星)はここでもすぐ近くで明るく輝いている。

この日の三日月は、しし座で一番明るい星レグルス(1.35等)と接近する。夜明け前にしか見られないので、地平線近くの視界が開けた場所で、双眼鏡を使う必要があるだろう。

9月15日金曜日:新月

この日は新月。月が地球と太陽の中間にきて、まぶしさの中に消えるときだ。この新月は日食を起こさないが、来月の新月は黄道(太陽の通り道)を通り、太陽を覆い隠す。
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荘厳な「金環食」は、2023年10月14日に米国の8つの州および一部の中南米で見られる。

9月17日日曜日:三日月とスピカ

この日の夕方、満ちていく細い三日月が日の入り直後に西南西に沈むところが見られる。わずか5%だけ照らされた月が、おとめ座で最も明るい星スピカの右下にある。双眼鏡が必要かもしれない。火星も近くにあるが、見るには位置が低すぎるだろう。

今週の天体:夏の大三角

7月、8月の日没後に東に昇り、深夜には真上に見える夏の大三角は、夏の夜空の主役だ。空が非常に暗ければ、はくちょう座のデネブ、こと座のベガ、わし座のアルタイルからまり夏の大三角の中を天の川が流れているところが見られる。

今週、夏の大三角は、西の空に向かって進んでいく。

星空鑑賞のヒント:双眼鏡を手に入れよう

肉眼による星空鑑賞には良い点がたくさんある。生涯の天体観測を光学機器なしで済ますことは十分可能であるばかりか、夜空の広い視界に没頭することこそが、外へ出て空を見上げる真の目的だという天文ファンも多くいるだろう。

それでもなお、双眼鏡があれば夜空の新たな世界が開かれることは間違いない。肉眼ではどうしても見えなかった星団は特にそうだ。双眼鏡のピントを注意深く合わせ、夏の大三角付近の天の川をたどっていけば、美しい星々の光景に驚かされることだろう。

各地の日の出/日の入り、月の出/月の入りの正確な時刻については、気象庁のウェブこちらのサイトなどを参照してほしい。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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