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2023.09.10 11:15

Z世代の「秋あるある」ランキング その香りと味覚とは

Getty image

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若い人たちが「秋」に抱いているイメージには、今も昔も変わらない微笑ましいものもあれば、「そうそう!」と共感して笑えるもの、さらには大人の責任を痛感させられるものもあり、それは現代の映し鏡とも言える。きせかえ顔文字キーボードアプリ「Simeji」がZ世代を対象に行った「秋あるある」に関するアンケート結果には、いろいろ考えさせられる。

1位は「◯◯の秋が多すぎる」。食欲の秋にはじまり、読書の秋、スポーツの秋と、たしかにやたら多い。「ほかの季節にはないのにいちばん短く感じる秋が欲張ってるw」との意見には大いに賛同できる。
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2位は「金木犀の匂いで秋を感じる」。「金木犀の匂いを嗅ぐと夏がついに終わるのかーって実感する」というのは、いつの時代も変わらない日本の秋の情緒。それが世代を超えて伝わっているのはうれしい。

3位は「コンビニスイーツで秋を感じる」。コンビニというのが今どきっぽいが、秋になると和菓子屋さんでも栗や柿を使ったものが出てくる。これも世代を超えた秋の情緒だろう。

4位は「普通に暑い」。「友だちと『春夏秋冬じゃなくて春夏冬』じゃんって毎年言ってる」と、これは地球温暖化の影響だ。彼らが本来の秋を知る最後の世代になるかもしれない。
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5位は「月見バーガーで秋を感じる」。マクドナルドが月見バーガーを販売し始めると秋だなと。マクドナルドはすっかり日本文化のひとつになった感じだ。

6位は「いつの間にか終わってる」。これは4位の「暑い」と同じ。夏から急に冬になる感じだと意見が多い。

7位は、ハロウィンとクリスマスとお正月商戦が同時に始まって季節感がぐちゃぐちゃというもの。「コンビニのスイーツは秋に旬の物を使っているのにレジ近くにはクリスマスケーキの申込用紙があったりする」など。情緒にお構いなく先を急ぐ業界に対して若者は冷静だ。ちょいと落ち着いてほしいと、Z世代も思っているはず。

8位は、親の「羽織るものを1枚持っていきなさい」。「秋に何回も言われる」、「毎年恒例のセリフ!(笑)」と、これは家庭円満のしるし。微笑ましい秋の情景だ。続いて、9位は「銀杏の匂い」。ちょっと臭いがこれも昔ながらの秋の風物詩。10位は「衣替えのタイミングが難しい」。こっちは4位と6位に共通する気候変動の影響だ。「半袖か長袖か悩む」のが、これからの秋ということなのか。

秋があやふやな季節になってしまったのは、気候変動を招いた先人の責任だ。前のめりな秋物冬物商戦による季節感の喪失もしかり。大人として反省すべき点が浮き彫りにされた。同時に、Z世代も秋らしい秋を望んでいるのだとわかり、ホッとする調査結果でもあった。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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