本部に専用のチームがあり、13人の覆面インスペクターがいて、彼らは常に世界を飛び回っています。彼らは500を超える項目をチェックし、「ルレ・エ・シャトー」のメンバーとなるべきメンバーを探すのですが、彼らが推薦してきた宿やレストランであっても、その後ネットワークコミッションというチームでの議論の末に却下されることもあります。最終的にはボードメンバーの認可が必要ですので、大変狭き門だと言えるでしょう。
いったん加盟が許されたのちも、3年ごとにサイレントでインスペクションが入り、退会を余儀なくされることもあるくらいです。
──なるほど、それは大変そう。加盟料はおいくらいくらいなんでしょうか?
加盟料は、ベースとなる基本料に加え、施設のサイズに応じて加算されます。10部屋の施設と80部屋の施設が同じ会員費を払うのも変ですからね。欧州ではレストランが際立った宿泊施設、オーベルジュが多いですが、日本は単独のレストランの割合が多いです。レストランについては、全く異なる料金体系で年間の売上に応じて算出されます。
その金額を高いとみるかは、何を求めるか、によります。加盟すれば「ルレ・エ・シャトー」のウェブサイトから世界中のカスタマーにアクセスできるし、利用できるサービスは60にも及びます。なにより我々のクレディビリティ(信頼性)を共有できるというのは最大の強みですよね。
──ガルディニエさんは昨年新会長に選出され、今年1月に着任されたわけですが、直近の3年間はパンデミックで大きな打撃を受けたのではありませんか。
我々はファミリースピリッツをもっとも大切にしています。そのため、この期間中には加盟料を減額するなどしてメンバーを支えてきました。日本はとくに入国制限されていた期間も長く、心配でしたが、結果的にひとりのメンバーも失わずにパンデミック期間を乗り越えることができました。
今後、旅行者はどんどん増えるでしょうし、日本でも存在感を増していきたいところです。その意味でも、今回、日本人として初めて国際執行委員に就任した音羽香菜さんには大いに期待しています。