テクノロジー

2023.09.08 08:45

4台のロボットが協調して針に糸を通す、地味だけどすごい実証動画

リリースベース(松村)

プレスリリースより

ロボットは動くコンピューターとも呼べるもの。動くためにはプログラムが必要だが、それを制御する専用のソフトウェアがある。ロボット制御ソフトウェア「クルーボ」を開発するチトセロボティクスは、4台の異なるメーカーのロボットアームが協調して針に糸を通す動画を発表した。大きなロボットが何台も集まって小さな針に糸を通す様子は滑稽にも見えるが、これは大変な技術なのだ。

動画に登場するのは、三菱電機、デンソーウェーブ、安川電機の産業用ロボットと、ユニバーサルロボットの協働型ロボット。協働型とは、人間といっしょに働くことを想定して開発されたロボットのこと。その協働型ロボットが針を持ち、三菱電機のロボットが糸を持っている。残りの2台はカメラ担当だ。この4台が1台のコンピューターに接続され、クルーボが制御している。

何がすごいって、それぞれを台車に乗せて、人が適当に配置したところから勝手に作業を始めている点だ。きっちりセッティングをしたわけではなく、プログラムどおりに動いているわけでもない。たとえば糸は柔らかいので垂れ下がったり、ロボットの動作で振動したりするが、クルーボはリアルタイムビジュアルフィードバック制御によって、その都度判断し、各ロボットに的確な指示を与えている。動画の後半では針の位置が変更されるが、それでもちゃんと対応している。

このように、さまざまなメーカーの異なるロボットが混在する作業環境でも、きわめて高度で精密な協働が可能になるという、ちょっと地味だけど、驚きのデモンストレーションだ。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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