アマゾンのプロジェクト・カイパーは、イーロン・マスクのスターリンクに対抗し、地球低軌道に数千個の衛星を配備しようとしている。スターリンクは、すでに5000基以上の衛星を地球上空に送り込んでいるが、アマゾンは今後数カ月のうちに2機のプロトタイプ衛星を配備し、来年末までにサービスのベータテストを行う予定だ。
ボーダフォンは、プロジェクト・カイパーと協力してサービスをテストする最初のパートナーの1社となる。
ボーダフォンと同社のアフリカの子会社のボーダコムは、遠隔地にあるベースステーションを衛星ネットワークで接続する。この方法を用いることで、光ファイバーや固定ワイヤレス接続で遠隔地に到達するための費用を節約しつつ、顧客にネット接続を提供できる。
一方、アマゾンのプロジェクト・カイパーは、ボーダフォンと手を組むことで、遠隔地の消費者に直接サービスを届けることに主眼を置くスターリンクとの差別化を図ることができる。
アマゾンのデバイス&サービス担当上級副社長のデイブ・リンプは声明で「当社は、サービスが行き届いていない地域の数千万人の顧客に、高速で手頃な価格のブロードバンドを提供しようとしている。ボーダフォンのような国際的な大手と組むことで、欧州とアフリカの情報格差を解消するため、より早く大きなインパクトを与えることができる」と述べている。
今回の動きは、すでに激化している地球低軌道の覇権争いにさらなる燃料を提供することになりそうだ。
スターリンクやプロジェクト・カイパーなどが配備する衛星の寿命は10年未満で、その後は高度を下げて地球の大気圏で燃え尽きることになる。一部の科学者は、このプロセスがスペースデブリの発生確率を高めることを懸念している。
(forbes.com 原文)