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2023.09.12

暗号資産取引のための合同会社を作る方法、注意すべき点

onurdongel / Getty Images

法人運営における注意点3:銀行口座の開設は簡単ではない

法人の銀行口座開設は簡単ではありません。暗号資産取引における節税が法人設立の主要な目的となっておりそれを口座開設時に銀行に説明する場合は特にそうです。もちろん、銀行口座を開設できなければ暗号資産の取引所アカウントも開設することができません。

GMOあおぞらネット銀行など一部の銀行は比較的口座開設しやすいと言われていますが、口座振替に対応していないという致命的なデメリットがあります。

例えば日本政策金融公庫からお金を借りる場合、口座振替に対応した銀行口座を開設しなくては、審査が通ってもお金が振り込まれません。口座振替に対応した銀行口座とは、ネット銀行以外のメガバンクや地銀などです。弊社はメガバンク三社で開設手続きし、実際に開設できたのは2/3社でした。

法人運営における注意点4:銀行や日本政策金融公庫からお金を借りづらい

会社の売上の大半が投資・トレードによるものである場合、銀行からお金を借り入れられる可能性はとても低いと考えておくのがよいでしょう。日本政策金融公庫の場合、投資・トレードという概念が挟まってくる時点で借入が厳しくなります。借入の目的が暗号資産取引でなく別事業であってもです。

投資・トレード以外の売上があったとして、売上比率が投資・トレードが高い場合は同様です。

「あくまで法人設立は暗号資産の節税のためであるから、銀行からの借入ができなくても問題はない」そうお考えの方もいるかと思います。しかし人の考えというのはいくらでも変わるものです。暗号資産の取引で出た利益をもとに、リスク分散も兼ねて別事業をやろう、時間を経てそう思う可能性は低くないでしょう。

「銀行から借入ができないことを想定として一定の資金を別で確保しておく」「銀行から借り入れできる可能性を残しておくため、暗号資産以外の売上も会社で作っておく」などの事前想定が必要です。

暗号資産以外の売上は個人名義にし法人の役員報酬は低く設定して、社会保険や所得税をトータルで安くする、という考え方について

マイクロ法人で調べるとよく出てくる考え方です。この考え方は経済合理性があると考えられますが、1つデメリットをご紹介しておきます。

前述のとおり、法人で暗号資産取引を行う場合、口座開設がむずかしくなる、借入しづらくなる、などの大きなデメリットがあります。しかし法人で暗号資産以外の売上が経っている場合、これらのデメリットが一定緩和されることになります。

例えば、暗号資産取引の事業にて借り入れすることは困難ですが、暗号資産以外の売上が立っていればその事業に対して借り入れをすることが可能です。暗号資産以外の売上を個人名義にするとこれがむずかしくなります。

このあたりはどちらが正解ということはないので、各々の今後の事業展開などを鑑み、総合的に判断するのがよいでしょう。必ずしも表題の意思決定が合理的であるとは限らない、ということをご認識いただければ問題ありません。

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