ARは、メタバースのように完全に仮想空間に入り込むVR(仮想現実)とは違い、現実の光景にコンピューターで生成した映像を重ね合わせるという技術。『ポケモン GO』もそのひとつだ。専用のゴーグルを装着しなくても、スマホのレンズを通して気軽に楽しめる。全国の観光地では、このARを活用して、歴史復元だけでなく、プロジェクションマッピング、施設ガイド、道案内などのコンテンツに関心が高まっている。実際のユーザーの側はどうかと言えば、これまた非常に関心が高いことが調査によって明らかになった。
ウェブブラウザー用ARコンテンツが簡単に作れるPalanAR(パラナル)を提供するpalan(パラン)は、10代から60代以上の500人の男女を対象に観光分野のARコンテンツに関する意識調査を行った。その結果、実際にARを体験したことのある人は3割強と少なく、旅行先で利用した人はわずか1割だった。しかし、ARコンテンツのある観光地に行きたいと答えた人は全体の54.8パーセント、ARコンテンツのない観光地よりもある観光地のほうが満足度が上がると答えた人は55.8パーセント、魅力的なARがあればまた訪れたいと答えた人は55.2パーセントにのぼった。実際のAR体験がない人も含まれるため、観光地で優れたARコンテンツに出会えば、その数はぐっと上がるものと思われる。
旅行先で体験したいARコンテンツは、1位が「歴史復元」、2位が「プロジェクションマッピング」、3位が「施設ガイド」などとなっている。これらのコンテンツの利用に際して、いくらまで払うかという質問には、プロジェクションマッピングと歴史復元には平均500円以上、そのほかのコンテンツも平均400円前後なら払ってもいいという答えが多かった。プロジェクションマッピングでは、25パーセントが801円から1200円払うと答えている。
ARの最大の特長は、現地に行かなければ意味がないということ。その土地ならではのよさを文字どおり「拡張」する上質なARコンテンツがあれば、観光地の強力な集客ツールになること間違いなしだ。
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