インド宇宙研究機関(ISRO)によると、本体のチャンドラヤーン3号から切り離された着陸機「ビクラム」がインド時間の23日午後6時3分(日本時間同9時33分)、月面に着陸した。
その瞬間、地上の管制センターではISROの科学者らから大きな歓声と拍手がわき起こった。インドのナレンドラ・モディ首相も訪問先の南アフリカからビデオ中継で見届けた。
月面への軟着陸を果たしたのは米国、ロシア、中国に続いて4カ国目だ。チャンドラヤーン3号は先月14日、インド南部アンドラプラデシュ州から打ち上げられた。
チャンドラヤーンはサンスクリット語で「月の乗り物」の意味。一方のビクラムは、インドの宇宙開発の父ビクラム・サラバイにちなんで命名された。ビクラムには探査車「プラギャン」(サンスクリット語で「知恵」の意味)が搭載されており、月面で少なくとも14日間活動してデータを地球に送信する予定だ。
ビクラムはインド製の複数のセンサーのほか、月面と地球の距離を測る研究のため、米航空宇宙局(NASA)から提供されたパッシブ・レーザー・リトロリフレクター・アレイと呼ばれる反射板も載せている。
NASAのビル・ネルソン長官はX(旧ツイッター)でISROのアカウントに「チャンドラヤーン3号の月の南極着陸成功、おめでとうございます! そして、インドが月への宇宙船軟着陸に成功した4番目の国になったことを祝福します。このミッションでパートナーになれて光栄です」とたたえた。