宇宙

2023.08.24 07:30

インド無人探査機、月面着陸に成功 南極付近は世界初

インドの首都ニューデリーで月面探査機「チャンドラヤーン3号」の月面着陸成功を祝う人たち(2023年8月23日撮影、Kabir Jhangiani/NurPhoto via Getty Images)

インドの首都ニューデリーで月面探査機「チャンドラヤーン3号」の月面着陸成功を祝う人たち(2023年8月23日撮影、Kabir Jhangiani/NurPhoto via Getty Images)

インドの無人の月面探査機「チャンドラヤーン3号」が23日、月面への着陸に成功した。月の南極付近に着陸したのは世界初で、歴史的な偉業になった。月の南極はこれまであまり調査されておらず、中国や米国も無人や有人の探査機を送り込む準備を進めている。インドによる到達は、新たな宇宙開発競争の号砲を鳴らした格好だ。

インド宇宙研究機関(ISRO)によると、本体のチャンドラヤーン3号から切り離された着陸機「ビクラム」がインド時間の23日午後6時3分(日本時間同9時33分)、月面に着陸した。

その瞬間、地上の管制センターではISROの科学者らから大きな歓声と拍手がわき起こった。インドのナレンドラ・モディ首相も訪問先の南アフリカからビデオ中継で見届けた。

月面への軟着陸を果たしたのは米国、ロシア、中国に続いて4カ国目だ。チャンドラヤーン3号は先月14日、インド南部アンドラプラデシュ州から打ち上げられた。

チャンドラヤーンはサンスクリット語で「月の乗り物」の意味。一方のビクラムは、インドの宇宙開発の父ビクラム・サラバイにちなんで命名された。ビクラムには探査車「プラギャン」(サンスクリット語で「知恵」の意味)が搭載されており、月面で少なくとも14日間活動してデータを地球に送信する予定だ。

ビクラムはインド製の複数のセンサーのほか、月面と地球の距離を測る研究のため、米航空宇宙局(NASA)から提供されたパッシブ・レーザー・リトロリフレクター・アレイと呼ばれる反射板も載せている。

NASAのビル・ネルソン長官はX(旧ツイッター)でISROのアカウントに「チャンドラヤーン3号の月の南極着陸成功、おめでとうございます! そして、インドが月への宇宙船軟着陸に成功した4番目の国になったことを祝福します。このミッションでパートナーになれて光栄です」とたたえた
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翻訳・編集=江戸伸禎

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