米通信ブルームバーグや英紙フィナンシャル・タイムズによると、ロシア政府はシベリアに複数の火力発電所を持つSibecoの資産を差し押さえようとしており、メルニチェンコが元政府閣僚のミハイル・アビゾフから同社を買収したのは汚職だったと主張している。
アビゾフは2018年に買収取引が完了した数カ月後に逮捕された。横領し、またSibecoと別の会社の株主を欺いたとしてロシアの刑務所に収監されているとフィナンシャル・タイムズは報じた。
米政府が運営するRadioFreeEurope/RadioLibertyのニュースサービスによると、メルニチェンコはSibecoを360億ルーブル(2018年の為替レートで5億7000万ドル強)で買収した。
メルニチェンコの広報担当者はブルームバーグに、今月初めにロシア・シベリアのクラスノヤルスクで起こされた訴訟は受理され、審問は9月7日に予定されていると語った。
ウクライナ戦争が始まって以来、ロシア政府は国内に富を取り戻そうとしている。3億ドル(約435億円)のヨットをアラブ首長国連邦(UAE)に停泊させ、現在は同国を主な拠点としているメルニチェンコに対する訴訟は、そうしたなかでの最新の動きだとフィナンシャル・タイムズ紙は報じている。別のロシア人の富豪オレグ・デリパスカのソチにある10億ドル(約1450億円)のホテルは、デリパスカがウクライナ侵攻反対の声をあげた後に差し押さえられたと報じられた。ロシアのプーチン大統領は、海外に資産を持つ裕福なロシア人は、資産と家族を国に戻すまで「二流のよそ者」のままだと述べている。