欧州

2023.08.20 12:30

ウクライナ軍、「ヘリキラー」ミサイルでロシア軍機2機を撃墜

aarrows / Shutterstock.com

ウクライナ軍の旅団が6月4日夜にウクライナ南部と東部で待望の反攻作戦を開始したとき、ロシア空軍のヘリコプターが待ち構えていた。

ウクライナ軍は首都キーウなど主要都市周辺に防空網を集中させていたため、前線の旅団は上空からの攻撃にさらされることになった。ロシア軍はウクライナの計画の弱点を突いた。

それから10週間後、ウクライナ軍は反抗を率いる旅団の上空へと防空範囲を拡大したようだ。ウクライナ軍は8月17日、ロシア軍の攻撃ヘリ2機を撃墜した。

この撃墜はウクライナ軍第47独立機械化旅団にとっては特に喜びだった。同旅団は南部ザポリージャ州マラトクマチカの南方で6月8日夜に攻勢をかけた際、ロシア軍ヘリからの攻撃で大損害を受けた。

同旅団と、ともに戦っている第33独立機械化旅団は地雷や大砲に見舞われ、空からも攻撃を受けた。その夜、レオパルト2A6戦車やレオパルト2R地雷除去車、M2ブラッドレー歩兵戦闘車など優れた戦闘車両を少なくとも20両超失った。

ウクライナ軍は最終的にマラトクマチカに広がる地雷原を回避する方法を見つけ、6月8日に放棄した車両の多くを回収。これらの車両は修理されたと思われる。第47旅団と第33旅団の戦隊は数キロ南下し、最終的にロボティネに到達した。ロボティネは約72km南のメリトポリにのびるルート上に位置し、ロシア軍の拠点が置かれている。

第47旅団がロシア軍の攻撃ヘリKa52に報復したのは、ロボティネのロシア軍陣地のすぐ北の場所だった。Ka52の多くはロシアが占領している港湾都市ベルジャンスクを拠点としている。

第47旅団はスウェーデン製のサーブRBS70レーザー誘導ミサイルを発射してKa52を撃墜。ヘリの乗員2人のうち1人が死亡したと報じられた。同日、別の部隊も東部バフムート周辺でKa-52を撃墜した


この2機の撃墜で、ロシアが18カ月におよぶウクライナとの戦争で失ったKa52の数は少なくとも計41機になった。ロシアの航空機メーカー、カモフがロシア空軍向けに製造したKa52のおよそ3分の1にあたる。
次ページ > ロシア軍が前線上空の制空権を失う可能性

翻訳=溝口慈子

タグ:

連載

Updates:ウクライナ情勢

ForbesBrandVoice

人気記事