欧州

2023.08.20 12:30

ウクライナ軍、「ヘリキラー」ミサイルでロシア軍機2機を撃墜

Ka52は過酷な戦争を経験してきた。高度なVikhr(ヴィーフリ)対戦車ミサイルを使用するために、Ka52の乗員は数秒間、地上から数百百メートル弱ほどのところでホバリングしなければならない。攻撃を受けやすくなるその数秒間、Ka52の乗員は搭載の通信妨害装置で身を守る。

Ka52はレーザーや赤外線で誘導されるミサイルには対抗できるが、レーダー誘導ミサイルには対抗できない。そのためKa52は、レーダーを妨害する装置を搭載しているより重量のあるミルMi28と編隊を組んで飛ぶことが多い。

だが、この策が常に機能するとは限らない。特にRBS70に対してはそうだ。重量約86キロの2人で操作するこの防空システムは、超音速ミサイルを最大約9キロ先まで飛ばす。Vikhrの射程距離とほぼ同じだ。

RBS70は主にレーザーで誘導されるが、レーザーが偽装されても機能する。「地上のオペレーターは発射後いつでも手動で操作することができ、それにより目標地点を変更することができる」と開発元のサーブは説明している

ロシア軍は41機のKa52に加えて少なくとも60機のヘリと74機超の固定翼機を失ってなお、前線上空をほぼ支配している。

ウクライナ軍の反攻に少しでも貢献し、生き残るためには、同軍のヘリはとんでもなく低空飛行しなければならない。一方、同軍の戦闘機は遠くから攻撃を仕かけ、西側製のさまざまな精密ミサイルや滑空爆弾を発射している。

最も激しい地上戦の真上に攻撃ヘリや戦闘爆撃機を自在に配備できるのはロシア空軍だけだ。

だがそれは今のところは、だ。ウクライナ軍のすべての旅団が、第47旅団のようにミサイル部隊を前方に配置することができれば、ロシア軍は最終的に前線上空の制空権を失う可能性がある。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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