起業家

2023.08.18 09:00

バッテリー交換式EVスクーターの草分け、台湾Gogoroを生んだ起業家

Gogoro(睿能創意)の共同創業者でCEOの陸学森(c)Gogoro

台湾政府の後押し

台湾は、スクーターの普及率が世界で最も高い。二輪車の登録台数は1400万台以上で、10人中6人が所有していることになる。Gogoroにとって、台湾は革新的な交通ソリューションを実験する上で格好の市場だ。また、同社の取組みは台湾政府が推進するサステナブルな移動手段を優先する政策にも合致する。台湾は、炭素排出量を実質ゼロ(ネットゼロ)とする野心的な目標の一環として、2040年までに台湾内で販売される全ての自動車とオートバイを電動化することを目指している。
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台湾では、ガソリンエンジンで駆動するスクーターを下取りに出して新品の電動スクーターを購入すると、最大2万8800台湾元(約13万円)の補助金が政府から支給される。Gogoroのバッテリー交換システムは、月額319元(約1450円)から利用可能だ。ユーザーは、バッテリーが切れそうになったら交換ステーションでフル充電されたバッテリーとすぐ交換することができる。

Gogoroは、これまでに累計4億8000万回以上のバッテリー交換を行っている。同社が運営する交換ステーションの数は2500カ所以上で、台湾のガソリンスタンドの数を上回る。

陸にとって元気の源は、子供たちが交換ステーションで両親のバッテリー交換を手伝っている姿を見ることだという。
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「ガソリンスタンドでは、子供が親の給油を手伝うことはないが、バッテリー交換ステーションでは日常茶飯事だ。そうした光景を見ると、われわれが正しいことをしていると再確認できる。われわれが年老いたときには、地球をより良い場所にしてこの世を去りたいものだ」と陸は語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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