EMSヒートトラッカーは、全米で起きた熱中症関連の救急サービス対応をマッピングするもので、米厚生省によって運営される。患者の年齢、人種、性別、地域分類(都市部か農村部か)のデータも表示される。
ハビエル・ベセラ厚生長官は「暑さはもはやサイレントキラーではない。気候危機の影響が増大していることから、全米の地域社会が、人々の涼と安全を確保し、命を守るべく奮闘している」と指摘した。
7月4日には世界平均気温が観測史上最高を更新し、この日は過去12万5000年間で最も暑い日となった。米国各地の大都市はこの夏、記録的な猛暑に見舞われている。米海洋大気庁(NOAA)によれば、先月はアリゾナ、フロリダ、メーン、ニューメキシコの4州で観測史上で最も暑い7月となった。また6月の世界平均気温は、174年間にわたる観測史上、最も暑い6月だった。
米国では、多くの州や地方自治体が連邦政府に熱波対策の強化を求める圧力が高まっている。熱波は、米連邦緊急事態管理庁(FEMA)が対応できる方法が制限されている数少ない自然災害の一つだ。
大統領が「大規模災害」時に州などの地方自治体に財政その他の援助を提供することを認める「スタッフォード法」には現在、その対象として猛暑が含まれておらず、FEMAが行える援助の種類が制限されている。アリゾナ州選出のルーベン・ガレゴ下院議員(民主党)は6月、FEMAの援助対象となる大規模災害の種類に猛暑を追加する法案「Extreme Heat Emergency Act(猛暑緊急法)」を提出。同議員は今週、CNNに対し、スタッフォード法に猛暑対策を追加すれば、アリゾナ州の各都市は連邦政府の支援を受けてより多くの移動式エアコンを導入できると語った。
(forbes.com 原文)